初期ガンダムを一通り見た。ストーリーはほとんど知らなかったので、話の出だしから驚いた。
「戦時下、軍の新兵器輸送現場が敵軍に襲われ、軍人のほとんどが死亡。巻き添えを被った近隣の住民たちは、新兵器と新型戦艦と共に逃避行を開始。」
という感じで、正規乗組員はおらず、戦場経験の無い将校一人とパイロット候補生一人、民間人の少年たちが中心となる(ほぼ全員10代、残りは老人と子供を抱えた女性)。その後は、戦争の不条理に直面しながらも、なんとか死線を潜り抜けていくという非常にサバイバルな内容。
基本的には10代の少年たちの成長の物語として作られていると思うけど、にしても状況がハードすぎる。次回予告の決め台詞は「君は生き延びることが出来るか」。ひどい。
話としては全43話で、中盤までは、重要でないキャラの心理描写も細かく、戦争の不条理と人間としての葛藤が主なテーマとなっている。敵も味方も戦争に翻弄される同じ人間であり、そのため、アムロ・レイが主人公である必要は特に感じないし、かのモビルスーツは敵と戦うための有効な道具以上のものではない。
当初、アムロは単なる機械いじりの好きな少年でしかない。実際、敵将から「勝ったのは貴様の実力ではない、モビルスーツの性能によるものだ!」と言われてしまうほど(笑)。しかし、ラスト10話くらいから、ニュータイプという宇宙生まれの新人類の設定を導入してから、アムロニュータイプとして一躍スーパーマンになってしまい、モビルスーツの巧みな操縦はスーパーマンであることを示す証拠となる。
ここにきて、ニュータイプと普通の人という構図が出来上がったが、時既に遅し。ラスト10話ではニュータイプにまつわる話が描ききれず、放映は終了(笑)。続きはZガンダムに持ち越され、前作の消化不良を解消するために、主人公のカミーユは初回からニュータイプとして描かれているようだ。というわけで、次はZガンダムを見よう。